バンコク国立博物館  National Museum Bangkok 

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バンコク国立博物館は、1859年にラーマ4世によって設立されたタイで最初の公立博物館です。「フロント・パレス」(前宮)の名のとおり王宮の真正面に位置し、王座の間と王宮からなる美しいタイ建築のひとつとされています。 

かつてのラーマ5世の時代までこの宮殿には5人の副王が住んでいました。その後、副王の地位は廃止されたため、空き家となった住居に「ルアン博物館」を設置し、数々の文化遺産、宗教美術品、王族ゆかりの伝統工芸品などを展示することになりました。設立当初は王室のプライベートミュージアムでしたが、ラーマ7世の時代には、殿下が「バンコクのための博物館」として設立し、1934年に「バンコク国立博物館」と正式に宣言しました。 

この博物館は、見学しやすいように全部で13のセクションに分けられています。今日は私が皆さんを案内しますね。さあ、まずはチケットを買いに行きましょう! 

外国人は200バーツ、タイ人は30バーツです。こちらでは傘を無料で貸し出しています。博物館は複数の建物を移動するのでこれからの雨期の観光には助かりますね。 

チケット購入後、COVID-19のチェックポイントを通って入館して下さい。 

●館内に水その他飲料水の持ち込みは禁止です。 
●ビデオ撮影は禁止ですが、写真撮影はOKです。 

1. Siwamok Phiman Hall. 

この建物は1782年のラーマ1世の時代に建設されて以来、王室の様々な功徳を行うために貴族が使用した宮殿でした。元々は壁のない広間で、木で造られており、現在よりも小さいものでした。その後、ラーマ3世の時代にかつての王座は取り壊され、より大きなレンガ造りの建物として建て直されました。屋根は今でも元の王座を模した木造です。現在、内部は古代タイ建築の美しさを復元し、価値のある骨董品や、素晴らしい芸術品が展示されています。しかし、私が行った日は改修中のため、残念ながら中に入ることができませんでした。 

2.The Buddhaisawan Chapel. 

プッタイサワン礼拝堂は1795年、副王スラシンハナートにより、プラ・ブッダシヒン(シヒン仏)を納めるために建てられた礼拝堂です。彼の死後、シヒン仏はあの有名なエメラルド寺院に移され、この建物は王座の館として使用されました。ラーマ3世の時代に行われた改修工事により、現代的な建築様式となりました。その後、ラーマ4世の時代にプラ・ブッダシヒンが戻されました。この礼拝堂の中には、ラーマ1世の時代の壁画があり、仏陀の生涯が壮麗に描かれています。 

3.The red House.

「赤い館」と呼ばれるこの建物は元々、王宮の内庭に建てられていました。ラーマ1世が姉のシュリ・スダラック王女のために建てたものです。その後、ラーマ3世が内庭の家屋をすべてレンガとセメントの家屋に建て替えさせました。ラーマ2世の王妃が居住するためにトンブリのワンデーム宮殿に移され、モンクット王(ラーマ4世)の時代には、ピンクラオ王が副王としてワーンナーに移設し住むようになりました。このように移設を繰り返し、現在はバンコク国立博物館の一部としてラッタナーコシン時代初期のタイ人の持ち物や道具を展示しています。内部には、昔の生活に関する展示品があります。見に行ってみましょう。 

Phra Thaen Banthom Phloeng 
(出産後、火のそばで横たわるための寝台)

当時出産した女性は、火床の前で木製の寝台に横たわり産後の修行をしなければなりませんでした。期間は人によって1週間から4週間(日数は奇数)で、長く続けるほど良いとされていました。修行を重ねることで、肌が健康になります。その女性が若く、第一子を出産したばかりの場合は、長く滞在することになります。 

Sao Phra Au  
 (王室のゆりかご)

プラ・アウは、ゆりかごの台、木彫りのゆりかごの枠、シースルーのカーテンでできています。ゆりかごは、竹を編んで布を被せたもので、縁にはフリンジが付き、中にはパッドと枕が入っています。ゆりかごの梁には守護神のお守りがあります。お守りの表側には誕生日の守護神が描かれ、裏側には魔王のヴァイシュラヴァナ(毘沙門天)が描かれています。誕生日の守護神は、赤ちゃんのお世話をし守ってくれるものと信じられています。 

Chinese Bed 

ラッタナコーシン時代に木彫りで作られたものです。ジョンチッタノム・ディスクル王女(ラーマ5世の姪)からバンコク国立博物館に寄贈されました。シンハ(獅子)の脚、天蓋、植物のレリーフ、金箔を施した中国様式のベッドです。 

Royal Shoes

シースリエン女王(ラーマ2世の妻)が所有した伝統的なタイの刺繡模様の靴。 

4.Maha Surasinghanat Building 

この建物では、アジアの美術展を開催しています。そして、先史時代から1800年代以前のタイの土地で発見された歴史的証拠-考古学的遺産を展示しています。この建物は6つの部屋があり全てで展示が可能ですが、404号室と405号室の2部屋は現在改修工事のため休館中です。 

Room No.401 アジアンアート 
Room No.402 先史時代 
Room No.403ドヴァーラヴァティー様式(6-11世紀) 
Room No.406スリウィチャイ様式(13-18世紀)

5.Praphat Phiphithaphan Building 

こちらにはタイの各地に王国が形成された13世紀以降のタイの歴史的・考古学的な遺物が収蔵されています。1967年5月25日に故プミポン大王陛下によって落成され、2017年から2020年にかけて「前宮保存開発プロジェクト」の一環として改修が行われました。その展示は、歴史時代別に、ラーンナー、スコータイ、アユタヤ、トンブリ- – 初期ラッタナーコシン、ラッタナーコシンの5つのパートに分けられています。 

Room No. 501 ラーンナー 

国土の北部に位置したランナー王朝。12世紀末頃にチェンマイを首都として誕生しました。初期のランナー美術は、モン様式の上座部仏教の影響を受けていました。その後、ビルマのバガン美術を通じてインド美術の影響を受け、さらにセイロン美術やスコータイ美術の影響も受け、混じり合っています。 

Room No. 502 スコータイ 

スコータイ王朝。北部の低地が発祥の地で12世紀半ばから約200年続いた王朝です。国を発展させ、広く領土を広げることによって、非常に繁栄しました。特に仏教に関する芸術作品の創造は、カンボジア、ビルマ、ランカ、ランナーの影響を受け、独自のスタイルに発展していきました。スコータイ県は世界遺産でも有名です。 

Room No. 503 アユタヤ 

13世紀半ばからタイの中部を中心にタイ族により興されたアユタヤ王朝。チャオプラヤー川流域 に位置し、417年にわたり貿易、経済、行政で繁栄した王国です。アユタヤの美術はクメール美術の影響を受けています。後にスコータイ美術の影響も受け、混りあっています。 

Room No. 504 トンブリー – 初期ラッタナーコシン 

1767年のアユタヤ陥落後、タイ王国の首都はチャオプラヤ川西岸の旧南部前哨都市トンブリーに移されました。その直後、新しい首都(バンコク)が誕生しました。1782年、ラーマ1世がアユタヤをモデルに東岸に建設したのがラッタナーコシン(チャクリー王朝)です。初期のラッタナーコシン芸術は、アユタヤ美術の様式を受け継ぎ、当時盛んだった中国との貿易により、中国美術の影響を受けています。 

Room No. 505ラッタナーコシン 

ラッタナーコシン王国のラーマ4世の時代。世界中に植民地主義が広がる中、タイには西洋の影響が入り込んできました。モンクット王(ラーマ4世の別名)はヨーロッパやアメリカの大国と外交関係を結び、国を西洋風の近代的なものに発展させました。 

6.Moo Phra Wiman, the Vice King’s Residential Complex 

ムー・プラ・ウィマンは1789年頃、ラーマ1世の時代に副王の住居として建てられました。ラーマ5世の時代に副王の位は廃止され、ラーマ6世の時代までは、国防省の兵舎として使用されていました。その後、ラーマ7世の時代にバンコクの博物館として改修され、現在に至るまで骨董品や芸術品を展示しています。 

この展示室にも、興味深い骨董品がたくさん展示されています。今日は皆さんにいくつか見ていただきます。 

Royal Folding Chair 

この椅子は王様が長く立っていることのないよう用意され、行列を作るときや、戦争に参加するときにも使われていました。 

昔の男女の服装 
アイロン、生地のお手入れ道具 

7. イッサレート・ラチャヌソーン 

ラーマ4世の時代に建てられた副王ピンクラオ王が使用した王座の間。ピンクラオ王は、1965年に亡くなるまで、ずっとこの玉座の間を住居として使っていました。現在、上階には、ヨーロッパ調の家具が展示されています。1階は王室の歴史や活動を紹介する展示室になっています。 

8.中華風祭壇 

ピンクラオ王は、中国風の住居を好んだといわれています。内部は中国絵画のディテールが満載です。 

9. チャオプラヤー・ヨーマラート記念塔 

ラーマ4世の時代に建てられた、2階建てのパビリオンです。三国志の物語を伝える彫刻が施されています。現在、内部は中国建築の装飾が施されています。 

** ゾーン7・8・9は 改修工事のため、館内・館外ともに見学不可でした。 ** 

10. 国葬に用いられる伝統的な乗り物 

11. The Mangklaphisek Throne Hall 

この館は、王が休息や休暇を過ごすために作られたものです。 

12. Sala Samran Mukmat 

ラーマ5世の時代には、陛下の誕生日に聖水を注ぐ儀式の場所として使用されていました。 
全体がチーク材で造られています。 現在は政府の特別なゲストのためのレセプションや様々な儀式が行われる場所でもあります。 

13. Sala Long Song 

ラーマ7世の時代に建てられたもので、王が髪を切るための場所として使われていました。 

土産物屋 

博物館の最後のゾーンはお土産屋さんになっています。 タイ風の雑貨や、博物館にちなんだ写真集なども販売していますので記念にいかがでしょうか。 

今回私は2時間半ほどかけて周りましたが、飽きることなくとても楽しめました。 
私が1番好きなのは”RED HOUSE”です。当時の人々の生活が垣間見えたり、昔の王族の豪奢な美術品などとても興味深かったです。 

 
現在毎週水・木曜日、午前9時半から11時半、日本語によるボランティアガイドさんがいます。日本語でじっくりガイドしてもらうと皆さんもより楽しめると思いますよ。 
皆さんにもっとタイの歴史や文化を知って頂けるとうれしいです! 
 
【バンコク国立博物館ボランティア日本語ガイドグループ】https://www.facebook.com/hakubutsukan/ 

ナショナルミュージアムの行き方 

地下鉄(MRT)サナム・チャイ駅で下車、その後トゥクトゥクかタクシーに乗り、運転手に「ピピッタパン ヘン チャート(国立博物館)へ」と伝えれば、地下鉄の駅からもほど近く、10分ほどで到着します。運賃は60~100バーツ程度です。 

Location : No. 4 Na Phra That Road Grand Palace Subdistrict, Phra Nakhon District, Bangkok 10200 

        Website  : http://www.finearts.go.th/museumbangkok/ 

              E-mail   –  : national.museum.bkk@gmail.com 

              Tel        –  02-224 1402 / 02-224 1333 

Time  :  Wednesday – Sunday and public holidays (except New Year and Songkran festivals) 

               08:30 am. – 16:00 pm. 

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